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髪の毛と亜鉛サプリメントの関係|役割・適切な摂取量・選び方を一次情報から整理

髪の毛と亜鉛サプリメントの関係|役割・適切な摂取量・選び方を一次情報から整理

「抜け毛が気になるから亜鉛サプリを飲んだほうがよいのか」「亜鉛で髪は増えるのか」と気になる方は少なくありません。亜鉛は髪の健康に関わる重要なミネラルですが、サプリメントは「飲めば髪が増える」ものではなく、不足を補い、髪が育つ土台となる栄養状態を整えるための選択肢です。
この記事は、亜鉛が髪に対して果たす役割、厚生労働省が定める適切な摂取量、過剰摂取のリスク、サプリメントとの付き合い方を、公的データをもとに一つの流れで整理しています。発毛剤の使い方や商品比較ではなく、髪の健康を支える生活習慣・栄養の観点に焦点を当てた内容です。

髪の毛と亜鉛の関係

亜鉛が髪の健康に関わる理由

亜鉛は、300種類以上の酵素の働きに関わる必須ミネラルで、体内では合成できないため食品などから摂取する必要があります。髪との関係でとくに重要なのが、たんぱく質の合成を支える役割です。
髪の毛は、その大部分が毛髪主成分たんぱく質であるケラチンでできています。食事でとったたんぱく質を髪の材料であるケラチンへと組み立てる過程で、亜鉛が補助的な役割を担います。つまり、材料となるたんぱく質と、それを組み立てる亜鉛の両方がそろって、はじめて健やかな髪が育つ土台が整うと考えられています。
実際に、亜鉛が不足した状態(低亜鉛血症)では、味覚障害や皮膚炎などとともに脱毛が症状として挙げられています。このことから、亜鉛は髪の健康を支える栄養素の一つと位置づけられています。

出典:一般社団法人 日本臨床栄養学会「亜鉛欠乏症の診療指針2018」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに整理。

「亜鉛で発毛する」とは言い切れない点に注意

亜鉛は髪の土台づくりに関わる一方で、亜鉛を経口摂取することで発毛が促される、薄毛が改善するといった臨床的な有効性は確立していません。亜鉛サプリメントは、あくまで不足しがちな栄養を補い、髪が育つ栄養状態を整えるための補助的な手段と捉えることが大切です。薄毛や抜け毛そのものへの対策を考える場合は、原因に応じた方法を専門家に相談することがすすめられます。

1日に必要な亜鉛の量と、日本人の摂取の現状

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、亜鉛の1日の推奨量が年齢・性別ごとに定められています。成人のおおよその目安は次のとおりです。

対象(成人) 推奨量(1日) 耐容上限量(1日)
男性 18〜29歳 9.0mg 40mg
男性 30〜64歳 9.5mg 45mg
女性 18〜29歳 7.5mg 35mg
女性 30〜64歳 8.0mg 35mg

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに整理。耐容上限量は、過剰摂取による健康障害を避けるための上限の目安です。

一方で、国民健康・栄養調査では、男性の多くの年代、女性でも多くの年代で、平均的な亜鉛摂取量が推奨量を下回る傾向が示されています。亜鉛は意識して摂らないと不足しやすい栄養素であり、髪の健康の観点からも、日々の食事で補う意識が役立ちます。

亜鉛を多く含む食品

食事から亜鉛を摂るには|多く含む食品と吸収のコツ

亜鉛は、魚介類・肉類・乳製品・豆類・ナッツ類など幅広い食品から摂取できます。とくにかきやレバー、赤身の肉などに多く含まれます。

食品(可食部100gあたり) 亜鉛の含有量の目安
かき(養殖・生) 14.0mg
豚レバー(生) 6.9mg
牛肩ロース赤肉(生) 6.4mg
するめ 5.4mg
カシューナッツ(味付け) 5.4mg

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに整理。

吸収を助ける・妨げる食品

亜鉛の吸収は、組み合わせる食品によって変わります。動物性たんぱく質やビタミンC、クエン酸は亜鉛の吸収を助けるとされ、たとえばかきにレモンを搾る食べ方は理にかなっています。
反対に、加工食品に多いポリリン酸やリン酸塩、穀類・豆類に含まれるフィチン酸、過度なコーヒーなどは吸収を妨げる場合があります。ただし、これらの食品にも他の大切な栄養素が含まれるため、極端に避けるのではなく、バランスのよい食事を心がけることが基本です。

亜鉛サプリメントとの付き合い方と過剰摂取のリスク

多忙で食事が偏りがちな方や、亜鉛が不足しやすい状況にある方にとって、サプリメントは不足を補う選択肢になります。ただし、使い方を誤ると過剰摂取につながる点に注意が必要です。
亜鉛を長期にわたり過剰に摂取すると、銅や鉄など他のミネラルの吸収が妨げられ、貧血や下痢、免疫機能の低下などを招く可能性が指摘されています。髪のために多く摂れば摂るほどよい、というものではありません。

⚫︎製品に記載された摂取目安量を守り、耐容上限量を超えないようにする。
⚫︎複数のサプリメントを併用する場合は、亜鉛の合計量に注意する。
⚫︎持病がある方や薬を服用中の方は、利用前に医師や薬剤師に相談する。
⚫︎基本は食事から摂り、不足分を補う位置づけで活用する。

亜鉛は不足も過剰も髪や体調に影響しうる栄養素です。「適量を、続けやすい形で」摂ることが、髪の健康を支えるうえでの基本になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 亜鉛サプリを飲めば髪は増えますか?
亜鉛は髪の材料であるケラチンの合成に関わりますが、亜鉛の経口摂取で発毛が促される、薄毛が改善するという臨床的な有効性は確立していません。不足を補い、髪が育つ栄養状態を整える補助的な役割と考えるのが適切です。

Q. 1日にどのくらい摂ればよいですか?
成人男性で約9.0〜9.5mg、成人女性で約7.5〜8.0mgが推奨量の目安です(年齢により異なります)。耐容上限量(男性40〜45mg、女性35mg)を超えないよう注意してください。

Q. 亜鉛が多い食品は何ですか?
かき、レバー、赤身の肉などに多く含まれます。動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると吸収が助けられるとされています。

Q. 摂りすぎるとどうなりますか?
長期の過剰摂取は、銅や鉄の吸収を妨げ、貧血や下痢、免疫機能の低下などにつながる可能性があります。サプリメントは目安量を守って利用してください。

まとめ|亜鉛は髪の土台を支える栄養素、適量を意識して

亜鉛は、髪の主成分であるケラチンの合成に関わり、髪が育つ土台を支える必須ミネラルです。不足すると脱毛などの症状につながる一方、サプリメントで発毛が約束されるわけではなく、過剰摂取にはリスクもあります。まずは食事から、かきやレバー、赤身の肉などを意識して摂り、不足を感じる場合に適量のサプリメントで補う形が現実的です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効果を保証するものではありません。抜け毛や薄毛が気になる方、持病や服用中の薬がある方は、医師や薬剤師など専門家に相談したうえで判断してください。