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フィナステリド・デュタステリドとミノキシジルの違い|内服と外用で異なる作用の仕組みを整理

フィナステリド・デュタステリドとミノキシジルの違い|内服と外用で異なる作用の仕組みを整理

「フィナステリドとミノキシジルは何が違うのか」「デュタステリドを飲んでいるが、ミノキシジルとは別物なのか」。薄毛対策を調べるとよく目にするこの3つの成分は、名前が並んで語られることが多い一方で、作用する仕組みや入手方法の違いが整理されていないまま情報が出回っています。
3成分はいずれも、日本皮膚科学会のガイドラインで男性の壮年性脱毛症に対して高い評価を受けていますが、体の中で働く場所も、目指す方向も異なります。この記事は、添付文書とガイドラインの情報をもとに、フィナステリド・デュタステリド(内服薬)とミノキシジル(外用薬)の違いを、作用・入手方法・注意点の順に整理しています。

内服薬の経過は6か月が目安

フィナステリド・デュタステリドとミノキシジルは何が違う?

フィナステリドとデュタステリドは、脱毛に関わる男性ホルモンの生成を抑える内服薬で、主に脱毛の進行を抑える方向に働きます。ミノキシジルは頭皮に塗る外用薬で、毛包(毛根)に作用して発毛を促す方向に働くとされており、両者は作用の仕組みそのものが異なります。

比較項目 フィナステリド デュタステリド ミノキシジル外用薬
剤形 内服(錠剤) 内服(カプセル・錠剤) 外用(頭皮に塗布)
主な作用 5αリダクターゼ(Ⅱ型)を阻害 5αリダクターゼ(Ⅰ型・Ⅱ型)を阻害 毛包(毛根)に作用
働く方向 脱毛の進行を抑える 脱毛の進行を抑える 発毛を促す
ガイドライン推奨度(男性) A A A(5%)
入手方法 医師の処方が必須(全額自費の自由診療) 医師の処方が必須(全額自費の自由診療) 薬剤師の確認のうえ市販で購入可能(第1類医薬品)
女性の使用 使用できない 使用できない 5%製剤は使用できない

推奨度Aは、日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版』で「行うよう強く勧める」とされる最も高い評価です。3成分とも男性の壮年性脱毛症に対して推奨度Aですが、推奨度が同じであることと、作用が同じであることは別の話です。

フィナステリド・デュタステリドはどのように作用する

フィナステリドとデュタステリドは、男性ホルモンのテストステロンを、より作用の強いジヒドロテストステロン(DHT)に変える酵素「5αリダクターゼ」の働きを阻害します。DHTの生成が抑えられることで、脱毛の進行を抑える方向に働くと考えられています。

DHTと壮年性脱毛症の関係

壮年性脱毛症では、DHTが毛包に作用することで、髪が太く長く育つ「成長期」が短くなるとされています。成長期が短くなると、髪は十分に育つ前に抜け落ち、細く短い毛が増えていきます。フィナステリドとデュタステリドは、この流れの起点となるDHTの生成に働きかける成分です。

フィナステリドとデュタステリドの違い

5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があります。フィナステリドは主にⅡ型を阻害し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害する点が異なります。どちらも内服薬で、医療機関で医師の診察を受け、処方を受けて使用します。

ミノキシジル外用薬はどのように作用する?

ミノキシジル外用薬は、頭皮に塗布して毛包(毛根)の毛乳頭細胞に作用すると考えられています。毛包周辺の成長因子に関与する経路に働きかけ、休止期にある毛包の成長期への移行を促す可能性が示唆されています。
ホルモンの生成に働きかけるフィナステリド・デュタステリドとは異なり、ミノキシジルは毛包そのものに働きかける成分です。承認効能は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」と定められており、国内では5%までの濃度が発毛剤として承認されています。

用法・用量と効果判定の目安

ミノキシジル5%外用薬製剤の一般的な用法・用量は、1回1mLを1日2回、頭皮に塗布する方法です。量や回数を増やしても効果の上乗せにはつながらないとされ、皮膚トラブルのリスクを高めることになります。毛周期に沿って作用するため、変化の目安は4〜6ヶ月程度の継続とされています。
一方、フィナステリドとデュタステリドは、効果を確認するまでに通常6ヶ月程度の連日服用が必要とされています。いずれの成分も、短期間で判断せず、用法・用量を守って続けることが前提になる点は共通しています。

内服薬と外用薬は作用の仕組みが違う

「脱毛の進行を抑える」と「発毛を促す」は何が違う?

前者は、DHTによって短くなる成長期の短縮そのものを抑える方向の作用です。後者は、毛包に働きかけて成長期への移行を後押しする方向の作用で、働きかける対象と段階が異なります。
たとえば、抜け毛が増えてきたと感じ始めた段階と、地肌の透けが気になる段階とでは、読者が知りたい情報も異なります。どの成分がご自身の状態に適しているかは、進行度や体質、服用中の薬によって変わるため、医師または薬剤師に相談したうえで判断することが前提になります。

それぞれどこで入手できる?

フィナステリドとデュタステリドは医療用医薬品で、医師の処方が必須(全額自費の自由診療)です。ミノキシジル5%外用薬製剤は第1類医薬品で、ドラッグストアや正規のネット通販で購入できます。
第1類医薬品の購入時には、薬剤師による問診票の確認、情報提供、適正使用確認が行われます。なお、フィナステリドとデュタステリドには、市販されている飲み薬・塗り薬はありません。海外製品を個人輸入で入手することには、品質や安全性が確認できないリスクがあります。

内服薬を服用中の人がミノキシジル外用薬を検討するときの注意点は?

現在フィナステリドやデュタステリドを服用している方は、外用薬を使用する前に、処方元の医師または購入時の薬剤師に服用中の薬を伝えて相談してください。そのうえで、ミノキシジル外用薬の使用対象にあたるかを確認することが大切です。

使用しないでください

本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある方、女性、20歳未満の方、壮年性脱毛症以外の脱毛症の方、脱毛が急激であったり髪が斑状に抜けている方は、ミノキシジル5%外用薬製剤を使用できません。

使用前に医師・薬剤師に相談してください

今までに薬や化粧品等によりアレルギー症状を起こしたことがある方、高血圧または低血圧の方、心臓または腎臓に障害のある方、むくみのある方、家族や兄弟姉妹に壮年性脱毛症の人がいない方、65歳以上の方、甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症)のある方は、使用前に医師または薬剤師にご相談ください。フィナステリドやデュタステリドなど、ほかの医薬品を使用中の方も、使用前に処方元の医師または購入時の薬剤師にお伝えください。

報告されている主な副作用

ミノキシジルの成分特性による副作用リスクとして、皮膚では頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感等(発赤は頭皮以外にあらわれることもあります)、精神神経系では頭痛、気が遠くなる、めまい、循環器では胸の痛み、心拍が速くなる、代謝系では原因のわからない急激な体重増加、手足のむくみが報告されています。使用中に体調や頭皮に異変を感じた場合は、ただちに使用を中止し、医師または薬剤師にご相談ください。

よくある質問

Q. フィナステリドとミノキシジルは同じような薬ですか?

異なります。フィナステリドはDHTの生成を抑える内服薬で、ミノキシジルは頭皮に塗って毛包に作用する外用薬です。いずれも男性の壮年性脱毛症に対してガイドラインで推奨度Aとされていますが、作用の仕組みは別のものです。

Q. デュタステリドとフィナステリドの違いは何ですか?

阻害する酵素の種類が異なります。フィナステリドは主に5αリダクターゼⅡ型を、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害します。どちらも医師の処方が必須の内服薬です。

Q. ミノキシジルは市販で買えますか?

ミノキシジル5%外用薬製剤は第1類医薬品として市販されており、薬剤師による問診票の確認、情報提供、適正使用確認を経て購入できます。

Q. 内服薬を飲んでいても、ミノキシジル外用薬を使えますか?

使用の可否は体質や持病、服用中の薬によって異なります。フィナステリドやデュタステリドを服用中の方は、使用前に処方元の医師または購入時の薬剤師にご相談ください。

Q. 効果が分かるまでの期間は違いますか?

フィナステリドとデュタステリドは通常6ヶ月程度の連日服用、ミノキシジル外用薬は4〜6ヶ月程度の継続が目安とされています。変化の現れ方には個人差があります。

Q. 女性も使えますか?

フィナステリドとデュタステリドは女性は使用できません。ミノキシジル5%外用薬製剤も女性は使用できず、女性向けには別に承認された製品があります。

まとめ|推奨度は同じでも、作用の仕組みは異なる

フィナステリドとデュタステリドは、5αリダクターゼを阻害してDHTの生成を抑え、脱毛の進行を抑える方向に働く内服薬です。ミノキシジル外用薬は、頭皮に塗布して毛包に作用し、発毛を促す方向に働くとされる外用薬です。3成分とも男性の壮年性脱毛症に対して推奨度Aですが、働く場所と方向が異なります。
内服薬は医師の処方が必須で、市販で入手できる外用の発毛成分はミノキシジル5%外用薬製剤(第1類医薬品)です。服用中の薬がある方は、医師または薬剤師に相談したうえで、ご自身に合う対策を選んでください。

参照資料

・日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版』
・独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)医療用医薬品
・一般用医薬品 添付文書情報(フィナステリド錠、デュタステリドカプセル、ミノキシジル外用薬)
・厚生労働省『一般用医薬品の区分(第1類医薬品)』

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効果を保証するものではありません。症状や体調に不安がある場合は、必ず医師・薬剤師・栄養士などの専門家にご相談ください。